数百以上存在すると言われるバレエ演目の中で、今回ご紹介するのは『くるみ割り人形』です。
『くるみ割り人形』の原作は、ドイツのE.T.A.ホフマンによる童話『くるみ割り人形とねずみの王様』で、ピョートル・チャイコフスキーがこの物語を基にバレエ音楽「くるみ割り人形」を作曲し、広く知られるようになりました。
・クララ(またはマリー)- 物語の主人公で、くるみ割り人形を大切にする少女
・くるみ割り人形 – クララがドロッセルマイヤーからクリスマスに贈られた人形で、物語の中で王子に変身する
・ドロッセルマイヤー – クララの名付け親であり、物語の魔法的な要素をもたらす人物
・ねずみの王 – くるみ割り人形と対立する敵で、ねずみの軍を率いる
・王子 – くるみ割り人形が変身した姿で、クララと共に冒険をする
・金平糖の精 – お菓子の国の女王
・フリッツ – クララの弟(兄)
物語は、クリスマスイブに始まり、主人公の少女クララが家族と一緒にクリスマスツリーの周りでプレゼントを開ける場面から始まります。
クララは、ゴッドファーザーであるドロッセルマイヤーからくるみ割り人形を贈られ、とても喜びます。それを見たクララの弟(兄)のフリッツが人形を横取りして壊してしまいます。
その夜、クララがくるみ割り人形を抱いて眠りにつくと、不思議な夢の世界に引き込まれます。くるみ割り人形が生き返り、クララと共にねずみの王とその軍隊と戦います。
クララの助けもあり、くるみ割り人形が勝利を収めると、くるみ割り人形は美しい王子に変身し、クララをお菓子の国へと案内します。
お菓子の国では、女王である金平糖の精に迎えられ、盛大な祝宴が開かれます。さまざまな国の踊りやお菓子の精たちがクララを歓迎し、華やかな舞踏会が繰り広げられます。
最後に、金平糖の精と王子が美しいパ・ド・ドゥを踊り、物語はクライマックスを迎えます。
クララは夢から覚め、くるみ割り人形がただの人形であり、全てが幻想だったことに気づきますが、心に残る素晴らしい体験として物語は幕を閉じます。
いかがでしたか。
この第2幕に登場する「花のワルツ」は、上品かつ優美な曲調の音楽で、皆さんも聴いたことがあるのではないでしょうか。
また、同じく第2幕の、金平糖の精と王子のパ・ド・ドゥは、技術的にも難易度が高く、金平糖の精と王子が繰り広げる優雅で力強いパートナーシップが見ものです。
さて次回は、『眠れる森の美女』をご紹介します。